筋膜リリースとは?自宅でできる効果的な筋膜はがしのやり方をプロが解説!

         

昨今、多くのメディアで取り上げられている『筋膜リリース』。

最近では、筋膜リリース用のグッズや、やり方を解説するYouTubeなど、目にする機会がふえてきました。

しかし、さまざまな情報が拡散しているため『正しいやり方』が分からないという人も多いでしょう。

当店でも、「自分でやってみたけど効果が分からない「終わった後に筋肉痛になってしまったと来店される方がほとんどです。

今回の記事では、筋膜リリースの効果や、自宅でできる簡単な筋膜リリースのやり方について解説するので、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

筋膜リリース(筋膜はがし)とは

筋膜リリース

筋膜リリースは、アメリカの理学療法士であるJohn F Barnesさんが考案した徒手療法が始まりです。

筋膜は、全身にくまなく広がっているため、筋膜がよじれると肩こりや腰痛、代謝不全など体に不具合が生じます。

筋膜リリースは、身体の不具合の原因である、筋膜のねじれやよじれを時間をかけてほぐしていくことで、元に戻していく方法です。

ゆっくりと解きほぐしていくことで、筋と筋膜が伸張性を回復し、身体が正しくスムーズに動けるようになります。

 

筋膜ってなに?

『筋膜リリース=筋膜のねじれを戻して身体の不調を整える』

ここを理解した後に、次に疑問になるのが、そもそも筋膜とは何?というところでしょう。

筋膜とは、鶏肉の皮を剝いだ時についてくる、薄いシートのような膜のことを指します。

実際には、皮膚から筋肉・内臓などあらゆる組織までを『くっつけ、まとめ、分ける』結合組織の働きをしています。

私たちの身体は何層にも重なった筋膜に包まれており、筋膜は、全身の細胞の核まで繋がっていることから、「第2の骨格」といわれるほど体にとって重要な存在です。

 

筋膜の仕組みと役割

筋膜の役割は大きく分けて3つあります。

▪️姿勢の維持

筋膜は全身を覆い、身体の形や組織の形を保っています。

筋膜が上下、前後、左右にバランスを保つことで、あらゆる姿勢を維持する役割があります。

 

▪️力の伝達

筋膜には筋肉が発揮した力を伝達する働きがあります。
筋は周囲に存在する結合組織や膜などの物理的な結合によって、筋の腱以外に張力が伝達され、そこで発揮される腱張力に影響を与えます。

これは、筋肉によって発揮された力が筋膜を介して、隣接する腱や筋に伝わるということを意味しています。

例えば、テニスでボールを打つために構える時、足から体幹を通じて力が伝わり、ボールを打つ時に体幹からラケットを持つ手先まで力が伝わります。

 

▪️感覚のフィードバック

筋膜には温度や触圧覚など外部からの刺激を受け取ったり、関節の傾きを測ったりするセンサー(固有受容器)が存在します。

この受容器の中には、圧刺激に対して痛みを感知するものなどがあります。他にも振動や持続的な伸張刺激に対しても反応します。

 

筋膜リリース(筋膜はがし)の効果とメリット

リリースという言葉には、『制限を解除する』『解きほぐす』という意味あいがあります。

筋膜リリースを行うことで、よじれやねじれ、癒着が解放し、筋膜が弾力や伸張性を取り戻します。

筋膜リリースをすることで得られる効果には以下の5つがあります。

  • 筋肉が正しく動くようになり、運動のパフォーマンスが上がる
  • 関節の可動域が広がって柔軟性が上がる
  • 筋肉のコリがほぐれてコリにくくなる
  • 血液やリンパの流れがよくなり、冷えやむくみが起こりにくくなる

それぞれ解説していきます。

 

筋肉が正しく動くようになり運動のパフォーマンスが上がる

筋膜に拘縮(こうしゅく)が起こると、筋膜の弾性や伸張性がなくなり、力の伝達がうまくいかなくなります。

筋膜をリリースをし、筋膜のゆがみや癒着を解放すると、力の伝達がスムーズになることで、運動のパフォーマンスが上がります。

 

関節の可動域が広がって柔軟性が上がる

関節の可動域を制限する要因として、筋や筋膜の歪みがあげられます。

筋膜リリースによって固まっていた筋膜がゆるみ、血流がよくなることで、筋膜に弾性と柔軟性が戻ります。

その結果、関節の可動域が広がり、関節の柔軟性があがります。

 

筋肉のコリがほぐれてコリにくくなる

筋膜リリースにより筋膜の歪みが改善すると、滞っていた血流がよくなり、コリや痛みが軽減、解消します。

 

血液やリンパの流れがよくなり、冷えやむくみが起こりにくくなる

筋膜のよじれやねじれ、癒着は血流を悪くします。

血流が悪くなると、冷え、むくみ、疲労の蓄積、代謝の低下などの症状が起こります。

筋膜リリースによって、血流が良くなると、冷えやむくみなどが解消するので、顔や身体がすっきりします。

 

【悩み別】自宅で簡単にできる!筋膜リリース(はがし)のやり方

筋膜リリースの施術を受けてからしばらくの間は体がとても楽に感じます。

ですが、しばらくするとコリや痛みが出てきてしまいます。それは悪い姿勢や生活習慣、あなたの今までの姿勢のクセが原因です。

根本的な改善に繋げるためにご自宅でもケアを行って少しでも施術効果を持続させましょう。

ここからは、悩み別に筋膜リリースのやり方を4つご紹介します。

  • 猫背、肩こりの改善に効果的な筋膜リリース
  • 腰痛改善に効果的な筋膜リリース
  • 冷え性改善におすすめの筋膜リリース
  • 太もも、脚痩せにおすすめの筋膜リリース

ご自身のお悩みに合うメニューをぜひ試してみてくださいね。

 

猫背・肩こりの改善に効果的な筋膜リリース

フォームローラーを使った、猫背や肩こりの改善に有効な筋膜リリースを紹介します。

【やり方】

  1. 横向きに寝て腕をまっすぐに伸ばし、フォームローラーを脇の下に当てます
  2. 肩の付け根から肩甲骨の外側くらいまでフォームローラーを転がします

【ポイント】
腕を伸ばしている方向へ前後にフォームローラーを転がす

 

①横向きに寝て、腕をまっすぐに伸ばし、フォームローラーを脇の下に当てます。

②肩の付け根から肩甲骨の外側くらいまでフォームローラーを転がします。

※ポイント:腕を伸ばしている方向へ前後にフォームローラーを転がすと効果的です

 

腰痛改善に効果的な筋膜リリース

家にあるバスタオルを使った腰痛改善に効果的な筋膜リリースを紹介します。

【やり方】

  1. 肩甲骨の一番下に丸めたバスタオルを敷き膝を曲げて寝ころぶ
  2. その状態でバンザイをする
  3. 背中の伸びを感じる

【ポイント】

低めの枕やタオルを頭に置き、顎を軽く引いて首をもちあげる

 

①肩甲骨の一番下に丸めたバスタオルを敷き、膝を曲げて寝ころぶ

②その状態でバンザイをします。腰は反らずにいるのが正しい姿勢です。

 

冷え性改善におすすめの筋膜リリース

テニスボールを使った冷え性改善に効果的な筋膜リリースを紹介します。

【やり方】

ボールを足で踏んで足裏をコロコロと転がす

【ポイント】

転がす箇所は、指の付け根から踵まで、内側、真ん中、外側の3本のラインを意識する

 

代用品テニスボール

ボールを足で踏んで足裏をコロコロと転がす

足裏

※ポイント:転がす箇所は、指の付け根から踵まで、内側、真ん中、外側の3本のラインを意識しましょう。

✔️テニスボールを使って手軽にできる筋膜リリースのやり方については、こちらの記事で部位別に紹介しています。

テニスボールで行う筋膜リリース!筋膜はがしの効果・やり方を部位別に紹介

 

太もも・脚痩せにおすすめの筋膜リリース

フォームローラーを使った太もも・脚やせに効果的な筋膜リリースを紹介します。

【やり方】

  1. 身体を横にして、ローラーを太ももの横に当てる
  2. 肩肘を曲げたまま姿勢をキープして、膝を曲げた状態でローラーを前後に動かす
  3. 身体を回旋させ、太ももの外側でも前より、後ろより、お尻に近い部位、膝に近い部位をリリースする

【ポイント】

自重を調節して、痛気持ちいところでじっくりリリースする

フォームローラーの使い方太もも

①身体を横にして、ローラーを太ももの横に当てます

②肩肘を曲げたまま姿勢をキープして、膝を曲げた状態でローラーを前後に動かします

フォームローラー太もも前

③身体を回旋させ、太ももの外側でも前より、後ろより、お尻に近い部位、膝に近い部位をリリースします

フォームローラー太もも後ろ

※ポイント:自重を調節して、痛気持ちいところでじっくりリリースするとより効果的です

 

筋膜リリース(筋膜はがし)についての注意点とよくある質問

ここからは筋膜リリースをする上での注意点と、よくある質問についてお答えしていきます。

ダイエットにも効果がありますか?

ダイエットに直接的に関係があるかと言われると正直グレーな部分ではありますが、間接的にはあると考えられるでしょう。

筋膜リリースにより、むくみの解消、冷えの解消、柔軟性の向上が起こることにより、代謝も上がります。

そのため、運動と筋膜リリースをセットで行うことで、より効果的に痩せることが可能です。

また、力の伝達が正しく行われることにより、無駄な筋肉がつかなくなります。

脚痩せしたい形には特におススメです。

 

筋膜リリースをした際に痛みがあるところと、ないところの違いは何ですか?

癒着やねじれ、よじれが多い部位は痛みを伴います。

逆に痛みがないところは、筋膜の癒着や歪みがない理想的な状態といえます。

痛みがある部位も、2~3週間程度繰り返しリリースすることで、癒着が解消され痛みを感じなくなってきます。

激しい痛みは身体に負担がかかってしまうので、痛みの出ない範囲でやるようにしましょう。

 

フォームローラーやボールは使った方が良いですか?

フォームローラーやボールを使うと、問題のあるところにピンポイントで圧を加えることができるので効果的です。

テニスボールは100円ショップで手に入るので、ぜひ取り入れてみてくださいね。

筋膜は、硬くなってしまったコラーゲンを柔らかくする(元の状態に戻す)ことで、伸縮性を元にもどします。

痛みを伴いすぎたり、時間が短すぎたりすると効果が出にくくなるため、最初は20秒~30秒程度からスタートし、徐々に90秒程度は同じ場所に圧を加えられるようにしていきましょう。

 

ストレッチやマッサージと筋膜リリースはどう違いますか?

▪️ストレッチ:個別の筋肉に対してアプローチする

▪️マッサージ:筋肉を点でとらえアプローチする

▪️筋膜リリース:歪みが生じている筋膜に対して三次元的に面でアプローチする

筋膜リリースは、筋肉にアプローチするマッサージやストレッチと異なり、筋膜に直接アプローチするので、筋膜の滑走性が上がり可動域を広げることができます。

 

セルフで筋膜リリースを行う際の注意点はありますか?

セルフで筋膜リリースを行う際、気を付けるべきは以下のポイントです。

 

▪️行っている部位があっているか

『解消したい悩みにあった部位を的確に狙うことができているか』は効果を出すためにとても重要です。

せっかく時間を作ってやっていても、やる部位が間違っていては、効果を得ることが出来ません。

 

▪️やりすぎではないか

やりすぎの基準は『痛み』です。痛みは力みを生み、せっかく緩めたい部位を逆に硬くしてしまう可能性があります。

「痛気持ちい」という感覚を目安に調整してください。

また、長時間やることがいいわけではありません。終わった後に筋肉の痛みやだるさが出ない程度にしましょう。

 

正しい筋膜リリースで身体の調子を整えよう

今回は筋膜リリースの効果・やり方を解説しました。

筋膜とは何か、というイメージを持って、やりすぎ、間違ったやり方を繰り返さないことが大切です。

実際にメディアなどで取り上げられているやり方は、詳細の説明を省いていたり、万人受けするように平均的な情報を提供していたりする場合がほとんどです。

あなたの目標、身体の状態に合わせてやり方を変えることで、身体の調子を正しく整えていくことができます。

今、何気なくやっていて、効果が出ていない人は正しくない筋膜リリースになっている可能性があります。

オリエンタルリリースでは、正しい筋膜リリースをはじめ、身体に関するお悩みを解決するためのお手伝いをしております。

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