フォームローラーを使った筋膜リリースの効果は?使い方や選び方を紹介

         

フォームローラーは、数年前から人気が出始め、多くの筋膜リリースグッズ、筋膜リリースアイテムが出始めました。サイズ、形状、表面素材・硬さなど様々な商品が販売されています。
そのフォームローラーと言っても使い方は多種多様で、使い方によって、サイズ、形状、素材・硬さの違うものを分けて選択することができます。
今回の記事では、フォームローラーについての解説と使い方の実際の例をいくつか紹介したいと思います。

フォームローラーとは?

フォームローラーは、適度に硬さのある素材でできた凹凸のある円筒状のツールです。主に筋膜をほぐす「筋膜リリース」を行う目的や物によっては、寝ころぶことで身体の前面を開くような目的で使用されます。近年はプロアスリートだけでなく、幅広い層の方に使われています。

フォームローラーは太ももや腰などに使用するケースが多いですが、腕や肩、腹部など、筋肉がある部位ならどこでも使用できます。自宅で手軽に全身のメンテナンスを行うことができるので、体を酷使するアスリートから、デスクワークがメインの方、立ち仕事など、幅広い層の方におすすめのアイテムです。

フォームローラーと似たようなアイテムに、凹凸がなく長さがある「ストレッチポール」があります。どちらも体を刺激できる製品ですが、ストレッチポールは全身を伸ばすストレッチなどの用途に適しています。一方で、凹凸がありサイズも短めのものが多いフォームローラーは、より局所的、部分的に筋肉をほぐすことに特化しているのが特徴です。

オリエンタルリリースでは、長さのあるフォームローラーをおススメしています。

フォームローラーの効果

フォームローラーの効果はいくつか考えられることがあります。
使い方、やり方、形状やサイズによって様々な効果を期待できます。

筋膜リリース効果

フォームローラーによって最も期待できるのが筋膜リリースと考えられます。
「筋膜」とは、筋肉を包んでいる薄い膜のことです。身体全体にボディスーツのように張り巡らされています。筋肉の伸び縮みや内臓の位置を支える役割を持っているので、第二の骨格と呼ばれることもあります。
この筋膜は、エラスチンとコラーゲンで出来上がっています。エラスチンは、筋膜の伸びを、コラーゲンは筋膜の強度を保ちます。
筋膜自体は柔らかい組織なのですが、運動不足、運動のし過ぎ、同じ姿勢の繰り返しなどで、エラスチンの割合よりもコラーゲンの割合が増えることで硬くなってしまい、筋膜同士の滑りが悪くなります。
筋膜リリースを行うことにより、運動パフォーマンスの向上や、体のこりの改善、関節の可動域を広げるといった効果が期待できます。

運動後の疲労回復効果

運動をすると、筋肉の中には疲労物質が溜まります。フォームローラーを使って筋膜リリースをすることで、血流の改善がされ、筋肉の中に溜まった疲労物質を流してくれます。

スポーツのパフォーマンスアップ効果

筋膜の癒着がとれ、関節の可動域が上がることで、スポーツのパフォーマンスアップが期待できます。
また、筋膜の硬さが残っていると筋肉がつかわれにくくなり、硬さがないときと比べると力が落ちてきます。フォームローラーを使って硬さが取れることで、パフォーマンスアップが期待できます。

マッサージ効果

フォームローラーは筋肉に圧をかけることができるので、マッサージ効果を期待することができます。マッサージをすることで、血流の改善やリラックス効果もあります。
また、長いフォームローラーを使って頂ければ、仰向けに寝ることで、背中の筋肉や肩甲骨周りマッサージもしやすいです。

フォームローラーの選び方のポイント

フォームローラーの選び方のポイントを見ていきましょう。
フォームローラーには様々な種類、長さや硬さがあり、どれを購入すればよいのか、迷ってしまいます。効果を得るために自分に合ったものを選択しましょう。

サイズから選ぶ

フォームローラーと言われるものの多くは30cm程度の長さのものが多いです。60cmを超えるものや中には100cm程度のストレッチポールのようなものもございます。

ピンポイントに使いたい部位がある場合は、30cm程度のコンパクトなものを選ぶと良いでしょう。
筋膜リリースだけではなく、エクササイズとしても使いたい場合は100cm程度の長さを使うと良いでしょう。

 

素材や硬さから選ぶ

フォームローラーは、使われている素材による硬さの違いがあります。クッション性がある柔らかい素材として、ウレタン素材やポリエチレン素材などがあります。硬めの素材として、硬質PVCやEVA
などがあります。
初心者は、ウレタン素材やポリエチレン素材など、柔らかい素材から始めるのが良いでしょう。

形状から選ぶ

形状は主に、円柱タイプ、スティックタイプ、ボールタイプの3つがあります。
背中や太ももなど、広い範囲で使うことができる円柱タイプが最も一般的です。これは、他のタイプと違い様々な場所に利用することが可能です。
スティックタイプは手持ちがついているので、太ももの前後、膝下の前後になどアプローチしやすいです。ボールタイプはよりピンポイントで、足裏やお尻等に使いやすい形状になります。
サイズと同じく、どこの部位をやりたいかによって形状を選ぶようにしましょう。
また、フォームローラーの表面の凹凸も商品ごとに形状が異なります。凹凸の大きさ、数によって刺激の強さが異なります。とがっているような形状の場合は、非常に刺激が強く、丸みを帯びた小さい凹凸の場合は、刺激が弱くなります。最初は凹凸が少ない刺激の弱いものから始めましょう。
馴れてきたり、物足りなさを感じたりしてきたら刺激の強いものに変えましょう。

フォームローラーの使い方のポイント

フォームローラーは、自宅で手軽に行える反面、効果を得るためには正しい使い方をする必要があります。フォームローラーを効果的に使た目のポイントを押さえていきましょう。

トレーニング前後に行う

日ごろから運動を行っている方は、運動の前後のウォームアップ、クールダウンにフォームローターを行うと効果的です。
筋トレやランニングなどを日頃から行っている方は、トレーニング前後のウォームアップやクールダウンにフォームローラーを取り入れるのも効果的です。
柔軟性があがることで、運動中のパフォーマンスはあがり、運動後は疲労回復効果が考えられます。
トレーニング前のウォームアップは、フォームローラーだけに時間をかけるのが難しいため、その日のトレーニングで特に使用する部分を中心に使用しましょう。一方でクールダウンの際は、マッサージを行う感覚で、時間をかけて全身に使用するのがおすすめです。

時間をかけすぎない

長時間筋膜リリースを行うことで、身体を痛める場合があります。
1か所のコリを感じている部分を集中的にやりがちですが、やりすぎることで、筋肉を痛めたり、揉み返しが出たりします。
フォームローラーの硬さや人それぞれの身体の反応にもよりますが、1箇所につき1分程度の使用を目安にしましょう。
その際、フォームローラーを早く動かすよりも、ゆっくりと動かしながら行う方が効果的でしょう。呼吸を止めないように意識しながら、ゆっくりと丁寧に行うようにしましょう。そうすることで、呼吸を止めずに、丁寧に行うことができます。

痛気持ち良いくらいの圧力が目安

フォームローラーを行う際の大切なポイントとして、「力まずに行う」というのがあります。
体重を乗せすぎたり、力をかけすぎたりすると、痛みで力が入ってしまい、身体が防御する形で筋肉が硬くなります。やりすぎによってあざができる人もいるので、痛気持ちいい程度の強さで行うようにしましょう。
ご自身で、繰り返しやっていく中で、検証をして、圧の強さやかけるべき時間などは自分用にアレンジしていくとよいでしょう。

【部位別】フォームローラーを使った筋膜リリースのやり方

ここからは、フォームローラーを使った筋膜リリースのやり方を紹介していきます。
広い範囲の筋肉もあるので、特にコリが強く感じられるところを行いましょう。

背中

【やり方】

  • 横向きに置いたローラーに背中を当て、頭の後ろで手を組み、肘を上へ向けます
  • 膝を立てて、お尻を浮かせ、上下にコロコロと転がします
  • 背中の上の方、真ん中、下(腰辺り)を行いましょう

【ポイント】

  • 背中を反ることで、力を抜いた状態で行うことでき、効果が上がります
  • 硬い部位を狙って、細かくコロコロと動かしましょう

【効果】

  • 猫背解消
  • 肩こり、腰痛解消

モモの前

【やり方】

  • ローラーを横向きにおき、うつぶせの状態でモモに当てます。
    肘で身体を支え、お腹を浮かせます。
  • 上下にコロコロと転がします。
  • モモ前の上の方(付け根)、真ん中、下(膝上)を順番に行いましょう

【ポイント】

  • 肩の動きを利用して、上下に転がしていきます
  • 硬い部位を狙って、細かくコロコロと動かしましょう
  • 物足りない方は、片脚を浮かせると、圧を強くすることができます。

【効果】

  • むくみ解消
  • 反り腰改善
  • 脚痩せ

 

モモの外側

【やり方】

  • ローラーを横向きに置きます
    下側の肘と上側の手で、状態を支えながら、下側の脚の外側をローラーに当てます
    ※この際、上の脚はクロスして、床につけて支えます
  • そのままの状態でモモのお尻の外側、モモの真ん中あたり、膝付近を順番にコロコロと転がします。

【ポイント】

  • 脇を締めたり、開いたりする動きで上下に転がしていきます
  • 硬い部位を狙って、細かくコロコロと動かしましょう
  • 物足りない方は、上側の脚を浮かせると、圧を強くすることができます

【効果】

  • むくみ解消
  • 脚痩せ
  • O脚改善

モモの後ろ

【やり方】

  • 床に座り、モモの後ろにフォームローラーを置きます。
  • 手を身体の後ろに着き、お尻を持ち上げます
  • その状態でモモの付け根、真ん中周辺、膝上付近を順番にコロコロと転がします

【ポイント】

  • やや膝を曲げたポジションで行うことで、力を抜いた状態で行うことができます。
  • 物足りない方は、片脚をクロスさせ、片脚だけにローラーが当たるようにすると圧を強くすることが出来ます。

【効果】

  • むくみ解消
  • 猫背改善
  • ヒップアップ

内もも

【やり方】

  • うつぶせになり、肘を肩幅ほど開く
  • 膝を曲げたまま、片脚を横に開き、内ももの下にフォームローラーを置きます。
  • 両腕と反対脚を使って、モモの付け根、真ん中周辺、膝付近を順番にコロコロと転がします。
     

【ポイント】

  • 転がすときに、ローラーを当てていない脚を軸にして、軸を転がすようにするとやりやすくなります。

【効果】

  • 脚痩せ
  • むくみ解消

お尻

【やり方】

  • フォームローラーの上に座ります。
  • 片膝は曲げたまま、反対の脚を曲げた脚の上に乗せます。
    曲げたままの脚のお尻をローラーに当て、体重をかけます。
  • お尻の側面から殿裂(お尻の割れ目)にかけて転がします。

【ポイント】

  • 身体を捻じることでローラーがお尻にあたる角度を変えることができます。
  • お尻に力を入れていると圧がうまくかからないので、お尻の力を抜くようにしましょう。

【効果】

  • 股関節の柔軟性獲得
  • ヒップアップ
  • むくみ解消

お腹

【やり方】

  • うつぶせに寝て、プランクのような姿勢を作り、お腹をローラーの上に乗せます。
  • 肘と肩を動かして、上下にローラーをコロコロ動かします。

【ポイント】

  • お腹には肋骨があるので、肋骨を強く圧迫しないように気をつけましょう
  • 圧が強すぎる方は、膝をつけることで、圧を弱くすることができます。
  • 向きを変えることで、正面だけでなく、お腹の横を筋膜リリースできます。

【効果】

  • 筋膜リリースダイエットとも言えるお腹周りのシェイプ
  • 猫背改善
  • 内臓のマッサージ

脇の下

【やり方】

  • 横向きで、下側の手を万歳し、脇の下にローラーを置きます。
  • 上側の手で身体を支えてバランスを取りながら、腕の付け根から肩甲骨の横辺りまでローラーをコロコロ動かします。

【ポイント】

  • 圧が足りない方は上の手で支える具合を少なくします。
  • うつぶせ気味や仰向け気味になることで、当たる角度を変えることができます。
    ※広背筋、大胸筋にアプローチすることができます。

【効果】

  • 肩こり解消
  • 猫背改善

足裏(※足の裏はボールを使って行います。)

【やり方】

  • テニスボールサイズのボールを用意します。
  • そのボールを足で踏んで足裏をコロコロと転がします。
    代用品テニスボール
  • 転がす箇所は、指の付け根から踵まで、内側、真ん中、外側の3本のラインを意識しましょう。
    足裏

【ポイント】

  • 3つのラインを行います
  • 痛みが強い場合は、椅子に座って行うなど調整をします

【効果】

  • 冷え性改善
  • 靴による足の圧迫の疲労回復
  • 足底筋膜を緩める

 

「フォームローラーで身体の調子を整えよう!」

今回はフォームローラーの基本的な選び方・使い方を説明していきました。フォームローラーは身体のコンディショニングを整えるのにとても役に立つツールです。しかし、使い方を間違えると、ケガをしてしまう可能性もあるため、今回の記事を参考にコンディショニングをしていただければと思います。

セルフで行う内容がわからなければ、オリエンタルリリースでは、フォームローラーの使い方もお伝えしていますので、「整体×パーソナルトレーニングジム」の体験をぜひ、受けに来てください。